副業で20万以上稼ぎがあれば確定申告が必要!やり方や注意点を紹介

副業で20万以上稼ぎがあれば確定申告が必要!やり方や注意点を紹介

これまで副業をNGとする企業が多くありましたが、2017年後半より、国が副業を推進するようになってからは、副業を許可する企業も徐々に増えてきました。

そのため、2018年は「副業ブームの年」とも呼ばれ、新たに副業にチャレンジするサラリーマンやOLさんも多かったことと思います。

副業することで得られる副収入。
本業で得られる収入(給与)の他に副収入が得られるのは嬉しいものですが、副収入の年間の総額によっては確定申告をする必要があります。

通常、会社員であれば12月頃に会社側が年末調整をしてくれますが、副収入分は自身で3月15日までに確定申告をする必要があるので、初めて副業を始めた人は戸惑ってしまうものです。

今回は副業で確定申告する必要がある人のために、そのやり方をご紹介します。

副業に多い主な所得の種類

副業と一言に言っても、様々な副業があります。
どのような業種の副業なのかによって、副収入として得た所得の種類にも違いがあるので、自分が行っている副業がどの所得となるのか把握しておきましょう。

毎年2月を迎える頃になると確定申告というフレーズを耳にする機会が多くなります。

ちなみに確定申告は本業のお給料とは別で、副業によって得た所得が年間20万円を超えた場合に必要な申請となるため、副業する人が全て確定申告をしなければいけないというわけではありません。

副業の年間収入から必要経費を引いた金額が20万円以上あれば雑所得として申告する場合が多くなります。

ブログやアフィリエイトでの収入は雑所得

インターネットが普及したことにより、雑誌・ラジオ・テレビで広告を出すよりも、ネットで広告を出した方がより多くの人に見て、知ってもらえるようになりました。
今やブログもひとつのメディアと言えます。

ブログを使った副業は、パソコンとネット環境さえ整っていれば誰でも始められる手軽さもあり、副業解禁と共に挑戦したという人も多いのではないでしょうか。

ブログ収入と言えば大まかに、アフィリエイト報酬、ネット広告、記事広告などがあります。
これらの収入は全て「雑所得」となります。

クラウドソーシングでの収入は雑所得

ネットの普及に関連して、クラウドソーシングを利用して副業をしている人口も伸びています。
クラウドソーシングとは、ネット上でクライアントが不特定多数の人に向けて作業を外注する業務形態のこと。

在宅での受注が可能なので、会社員、派遣社員、アルバイト、主婦、個人事業主など、さまざまな職種の人が副業としてクラウドソーシングを利用しています。

クラウドソーシングで得た収入も「雑所得」となり、年間20万円以上であれば確定申告する必要があります。

アルバイトでの収入は給与所得

アルバイトとして副業している人も多いことと思います。

アルバイトの場合、年末調整は対象外としている会社も多いので、個人で確定申告を行う必要があります。ただし、アルバイト所得が年間20万円以下の場合には確定申告の必要性はありません。

また、本業で働きながらもアルバイト副業として年間20万円以上の所得があれば、年末調整とは別で確定申告をする必要があり、アルバイトの所得分は「給与所得」として申告します。

ハンドメイド作品販売での収入は雑所得

自身の得意分野を生かし、ハンドメイドした作品をネットフリマアプリ等で販売する人が近年増加傾向にあります。

お小遣い稼ぎとして、趣味の延長として、中にはハンドメイド作品の販売で生計を立てている上級者も多いです。

そんなハンドメイド作品で得た収入に関しても、年間所得によっては確定申告が必要になります。

空いた時間に作って簡単に販売することができるので、ハンドメイドはOLさんや主婦など、主に手先の器用な女性に大人気の副業です。

本業の傍ら、副業としてハンドメイド作品を販売している場合、ハンドメイド作品の所得が年間20万円以上となるなら「雑所得」として確定申告をします。

ただ、年間20万円以上となると、月2万円以上の売上となるので、副業として確定申告をするほどの人気ハンドメイド作家になるには、なかなか壁が高いと言えます。

確定申告の方法

今まで本業1本で活躍してきた人の場合、自身で申告する機会はほぼないため、よく耳にはするけれどイマイチ確定申告がどういうものなのか分からない、という人も多いのではないでしょうか。

本業で所得を得ていれば勤め先の会社が毎年12月頃になると年末調整を行ってくれるので、個人で申告する必要はありません。

しかし、副業ブーム到来により、本業とは別で年間20万円を超える所得を副業で得ている人は、会社が行ってくれる年末調整とは別で個人的に毎年3月15日までに確定申告書類を作成して管轄の税務署へ提出する確定申告を行う必要が出てきます。

申告方法は、必要書類を管轄の税務署窓口へ持参するか、管轄の税務署宛に郵送する方法があります。

申告に必要な書類

確定申告の必要がある場合、まず最初に行うのは必要書類を集めるところから始まります。
副業で確定申告を行う際に必要となる書類は下記の通りです。

  • 確定申告書A※副業の所得が給与所得、雑所得であれば申告書Aで作成
  • マイナンバーカード
  • 本業分の給与所得の源泉徴収票(原本)
  • 副業分の給与所得の源泉徴収票(原本)※副業が給与所得の場合のみ
  • 副業分の収入が分かる支払調書(原本)
  • 経費となる領収書(サーバー代、ドメイン代、材料費など)

副業をする上で発生した費用が経費として計上することが可能なのか判断できない場合には、税務署へ相談するかネットで調べてみましょう。
周りに経理に詳しい人がいれば相談してみるのもひとつです。

自身で判断できないからと領収書をすぐに破棄しないでください。破棄してしまうと、本来経費にできる出費も計上できなくなります。

どんな小さな金額でも塵も積もれば山となるので、領収書は確定申告が終わるまで、大切に保管しておくように心がけてください。

確定申告書に記入する

確定申告書には3種類あり「確定申告書A」、「確定申告書B」、「申告書第三表(分離課税用)」がありますが、副業で雑所得や給与所得を得ている場合に使用するのは「確定申告書A」になります。

確定申告書A第一表

確定申告書A第一表

確定申告書A第二表

確定申告書A第二表

確定申告書の入手方法は、「税務署(管轄外でも可)へ取りに行く」、「返信用封筒を送り税務署から返送してもらう」、「国税庁の公式サイトより印刷する」の3方法です。
都合の良い方法で、余裕を持って確定申告書を入手しておきましょう。

確定申告書を入手し必要書類が揃ったら、いよいよ記入していきます。
確定申告書Aは第一表と第二表の2枚で1組となります。

申告書A第一表の記入項目は大きく分けて「収入金額等」、「所得金額」、「所得から差し引かれる金額」、「税金の計算」、「その他、延納の届出」の5つです。

収入金額等

1年間で得た本業での収入額や副業での収入額を記入します。
「給与(ア)」には、源泉徴収票の「支払金額」に記載の金額を記入。
「雑 その他(ウ)」には、支払調書の「支払金額」に記載の金額を記入。
※複数の副業先からの支払調書がある場合には、合算した金額を記入します。

所得金額

「給与(1)」には、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」に記載の金額を記入。
「雑」には、収入金額等欄の「雑 その他(ウ)」に記入した金額から必要経費合計額を引いた金額を記入。

所得から差し引かれる金額

「社会保険料控除(6)」には、源泉徴収票の「社会保険料等の金額」に記載の金額を記入。
「生命保険料控除(8)」には、源泉徴収票の「生命保険料の控除額」に記載の金額を記入。
「地震保険料控除(9)」には、源泉徴収票の「地震保険料の控除額」に記載の金額を記入。
「配偶者(特別)控除(12)~(13)」には、源泉徴収票の「配偶者(特別)控除の額」に記載の金額を記入。
「扶養控除(14)」は、扶養控除対象の親族がいる場合に受けられる控除で、扶養控除対象者の年齢や条件などによって控除額が定められています。
「基礎控除(15)」は、所得のある人であれば適用されている控除で、金額は一律38万円なので「380,000」と記入。
「(6)から(15)までの計」と、「合計(16)~(19)」に該当控除額を計算した合計金額を記入。

税金の計算

「課税される所得金額(21)」には、右側の所得金額欄「合計(5)」から所得から差し引かれる金額欄「合計(20)」を引いた金額を記入。
「上の(21)に対する税額」には、国税庁のサイトを参考にして自分で計算して記入する。

「差引所得税額(32)」には、(22)から(31)までの欄に記入した金額を引いた金額を記入。空欄の場合には、(22)に記入した金額をそのまま記入。
「再差引所得額(34)」には、(32)から災害免除額(33)を引いた金額を入力しますが、(33)が空欄の場合には、(32)に記入した金額をそのまま記入。
「復興特別所得税額(35)」には、(34)に2.1%を掛けた金額を記入。
「所得税及び復興特別所得税の額(36)」には、(34)と(35)を足した金額を記入。
「所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額(38)」には、源泉徴収票の「源泉徴収税額」に記載の金額を記入。
「所得税及び復興特別所得税の申告納税額」では、(36)から(38)を引いた金額をもとに記入。プラスになった場合には「納める税金(39)」へ、マイナスになった場合には「還付される税金(40)」に金額を記入しましょう。

還付される税金の受取場所

計算した結果、「還付される税金(40)」に記入した際には、還付金の受取口座情報を記入します。

副業の確定申告する場合に使える控除

確定申告時に申請可能な控除があります。
控除するには証明書などの書類添付が必要となりますので、手元に証明書がない、または紛失した場合には再発行してもらいましょう。

控除項目 必要書類
社会保険控除 社会保険料控除証明書
生命保険控除 生命保険料控除証明書
地震保険控除 地震保険料控除証明書
医療控除 申告年度分の医療費領収書
住宅ローン控除 住宅借入金等特別控除申告書、住宅ローンの年末残高証明書
寄付金控除 寄付金控除領収書
雑損控除 火災時の損失は消防署、盗難時の損失は警察署が発行する被害額届出用証明書、災害関連支出の領収書

これら必要書類は原本での提出となります。

本業で年末調整を行っている場合、社会保険、生命保険、地震保険などすでに控除済みであれば、副業で確定申告を行う際には控除対象にはなりません。

しかし、本業の年末調整で控除されなかったものに関しては、副業の確定申告で控除対象となります。
該当するものがあれば、忘れずに控除するようにしましょう。

ここまでの記入例は国税庁のサイトに記載されているため、不安な人はチェックしてみてください。

確定申告をしないとどうなる?

万が一、副業で年間20万円以上の所得があるにも関わらず確定申告を行わなかった場合にはいわゆる脱税となり、無申告加算税、または延滞税のペナルティが発生します。

無申告加算税

3月15日の確定申告期限内に申告書を提出できなかった場合に発生するのが「無申告加算税」です。
無申告加算税は、納付しなければならない税額プラス、無申告加算税の納付義務が発生します。

延滞税

3月15日は確定申告の提出期限であると同時に、税金の納付期限日でもあります。
この日までに確定申告の提出が済んでいても、納付が完了していなければ「延滞税」が発生します。
延滞税の額は、納付期限日翌日から全て納付するまでの日数をもとに計算されます。

「忘れてた」、「知らなかった」が通用しないので、きちんと期限内に確定申告を済ませ、期限内に完納するように気を付けてください。

確定申告におすすめのソフト

確定申告で頭を抱えてしまう副業者は非常に多いです。
企業であれば本来は経理担当者が行う作業を、副業者は自分自身で行わなければいけません。

簿記に触れたことのない人であれば、どの経費が何の勘定科目にあたるのか、また、どのように仕訳をしたらいいのか判断することすら難しいのではないでしょうか。

特に、副業ブームを機に初めて副業をして、初めて自身で確定申告を行うという人であれば、確定申告書を作成するだけでかなりの時間を費やしてしまいます。

確定申告の必要性があるのであれば、普段から副業に係るお金についてはきちんと管理しておくことがおすすめです。

そこでぜひ取り入れていただきたいのが「クラウド会計ソフト」。
ノートへの手書きやエクセルを使った自己流の管理法より、お金に係る全てが管理できる会計ソフトを使用した方が、普段からの管理や確定申告作業もかなり効率的になります。

インターネット環境が整っていれば誰でも利用できるので、クラウド会計ソフトの利用者も副業ブームに乗って増加傾向にあります。

今回は、副業者の方、そして簿記初心者の方でも簡単に管理できる、おすすめのクラウド会計ソフトをご紹介します。

弥生会計

弥生会計
弥生と言えば会計ソフトとして非常に有名で、160万以上もの企業が利用していると言われています。

「やよいの青色申告オンライン」は、簿記初心者でも簡単に入力ができ、申告書類の作成まで済ませることが可能です。

分からない時には電話とメールでのサポート体制が整っているので安心。
しかも、1年間無料でお試し利用できるのでまずは実際に使って、使いやすさ、入力のしやすさなどを確かめてみてください。

クラウド会計ソフト「freee(フリー)」

freee
簿記知識なし、簿記初心者という人に人気なのが「free(フリー)」。

勘定科目が判断できなくても、自動仕分機能によって悩むことなく仕訳処理。確定申告に必要な書類を作成する際には、いくつかの質問に答えることで必要書類を作ることも可能です。

ネット環境が整っていればパソコンのみならずスマホからでも操作ができます。(スマホ操作の場合、アプリのダウンロードが必要)

まずは無料版を利用して、今後の副業次第では必要に応じて有料版に切り替えながら使ってみるのもおすすめです。

▼クラウド会計ソフト「freee(フリー)」▼
https://www.freee.co.jp/

確定申告を丸投げしたい場合

経費仕訳や決算作業などを自分で行うことに不安がある、またはその手間を省きたい人は、全てを第三者に丸投げするのが一番です。

身近に簿記に詳しくて経理を全て引き受けてくれる人がいないのであれば、引き受けてくれる人を探す必要があります。

最も頼りになるのは税理士が考えられますが、税理士資格がなくても簿記の資格を保持する人などを探してお願いすることも可能です。

税理士を探す


会計のプロでもある税理士に任せておけば、取引の仕訳から確定申告まで問題なく正確に済ませてくれるので安心です。

税理士を探す際には、知り合いから紹介してもらう、インターネットで探す、身近な会計事務所へ問い合わせる方法があります。

税理士もひとりの人間であり、性格や考え方も人それぞれなので、税理士との「相性」も重要です。
うまく付き合っていける税理士なのか、可能であれば契約を結ぶ前に実際に会って話してみることがオススメです。

また、税理士へ委託する場合に発生する報酬基準については、委託する作業量や売上高によって異なりますので、実際に税理士と応相談になります。

ココナラなどでお願いする

ココナラなどには個人でも確定申告を受けてくれるサービスがある

ココナラとは、得意とする知識や技術を売るオンラインマーケットで、たくさんの企業・個人が案件を出品しています。

今回の場合、経理を代行してくれる人をココナラで探すのもひとつ。
実際に「経理代行」で検索すると40件ほど、「確定申告」で検索すると120件ほどの案件がヒットします。

経理代行会社だったり、個人で案件を出していたりと様々で、価格もピンからキリまであるため、自身の予算や委託範囲によって選ぶことが可能です。

税理士に依頼する余裕はなくとも丸投げしたい人は、ココナラで探してみてはいかがでしょうか。

▼ココナラ▼
https://coconala.com/