テープ起こしはボイスレコーダーなどに録音された会話をパソコンなどで文字に起こすお仕事です。
主に在宅ワークとして作業することがメインのため、テープ起こしを副業で行っている方は少なくありません。
作業内容としては単純ですが、高いタイピング能力が必要です。
そのため、初心者と言ってもパソコンを扱うことに慣れていなければ難しい仕事でもあります。
案件によってはリライト(日本語として正しい文章に直す)ことも求められることもあります。
ここではテープ起こしの詳しい仕事内容や副業としてのメリットデメリット、稼げるコツなどを紹介したいと思います。
目次
テープ起こしの仕事内容とは?
テープ起こしの仕事内容は、会議や講演会、インタビューなどの録音を、パソコンを使用して正しく聞き取り文字に起こすという仕事です。
添削無しでそのまま行うことを素起こし・そのまま起こしとも呼びます。
多くの場合は録音した音声が、インターネットを利用してクライアントから送られてくるので、それをワードやエクセルの指定に合わせて文字に起こし、メールで納品するというかたちになります。
案件としては少ないですが、講演会や会議などその現場に行って、録音をするところから文字を起こすまでの案件のものもあります。
在宅タイプでもこのような仕事もありますが、基本的には送られてきた音声を起こすものがほとんどです。
ただし、送られてきた音声を書き起こすためには、何回も聞き直すことが必要となるため、パソコン上で何回も聞き直すためのツールも必要となります。
専門のツールを使用すると、送られてきた録音を数秒前に何回も聞き直すことができるので、正しく聞き取ることができます。
ケバ取り
テープ起こしの種類の1つとしてケバ取りという作業があります。
率直に言うと意味のない言葉を削除することです。
座談会や会議などの人の会話にはどうしても「えーっと」「あのー」といった無駄な言葉が出て来てしまいます。
これらを削除することにより、テープ起こしをした際の文章をスッキリさせることが可能できます。
リライト・整文
ケバ取りとセットになることが多いですが、文章として読んだ時に意味がわかりやすいように整える作業です。
場合によっては見出しを付けたり、言い方を適切なものに換えるといったこともあります。
ただ文字を起こすだけでなく、会話全体の流れを掴んでおく必要があるためわりと高度なテクニックとなります。
テープ起こしを副業とするメリット
テープ起こしの仕事をするメリットを紹介します。
もちろん副収入が得られるということの他にもメリットがあります。
- 完全在宅でできる
- 好きな時間に仕事できる
- タイピングのスキルがアップする
- 音声データには普段聞くことのできないレアなものもある
完全在宅でできる
テープ起こしは在宅で行うことができ、納期までに納品すれば良いので、仕事をする場所は自分の自由です。
在宅でできるということは、小さい子どもがいる子育て中のママや、老人と同居の人、本業を持っている人などでも仕事ができるということ。
「なかなか外に働きに行けない…」
という方でも働けるのが魅力です。
また、パソコンがあれば仕事ができるため、カフェなどでも仕事をすることが可能です。
好きな時間に仕事できる
確かに在宅で好きな時間にできるので、空いた時間や夜中家族が寝静まってからやるなど、その辺はとても自由にできる仕事です。
ただし、数分ぐらいの空き時間で、行う仕事としてはあまり向きません。
例えば、アンケートなどの仕事は空いた数分の時間でもさくさく行うことが可能ですが、テープ起こしはある程度集中し、落ち着いて行うことができる時間は必要になります。
また、納期を守ることが必要になるので、ある程度コンスタントに仕事ができるという環境がなければなかなかできない仕事とも言えそうです。
タイピングのスキルがアップする
テープ起こしをしていると、やはりタイピングの正確さと早さはとても重要となります。
そのため、テープ起こしをするなら、ある程度のタイピングのスキルが欲しいところです。
逆説的にはなりますが、テープ起こしの仕事を長くしていると、タイピングのスキルがよりアップするとも言えます。
音声データには普段聞くことのできないレアなものもある
テープ起こしの録音は、いろいろなインタビューや講演会などもあり、まるで自分も参加しているようなイメージになります。
そのため、なかなか聞けないような講演会などにも、無料で参加できるというメリットがあるのです。
中には芸能人などのインタビューなどもあり、仕事をしながら楽しめることもあります。
ただし、テープ起こしでの情報は絶対に他言厳禁となるので仕事を受ける際は注意しましょう。
テープ起こしを副業とするデメリット
テープ起こしは誰でもできる仕事ではありますが、持っているスキルによって適正かどうかは変わってきます。
メリットだけでなく、デメリットも知っておきましょう。
- 日本語力が求められる
- タイピング初心者には向いていない
日本語力が求められる
もともと音声データはテープ起こしがしやすいように話しているものではありません。
おしゃべりのような音声をテキストに起こさなければならないので、聞き取りにくく録音状態が悪いものもあります。
そのため、話している人の言葉を正確に理解することができなければなりません。
聞きながらある程度分かりやすい文章に直していく案件の場合は文章力も要求され、その上聞き取る力もとても重要となるのです。
また、例えば「利く・効く・聞く・聴く」のように、漢字の使い方なども間違えないようにしなければなりません。
他にもパソコンが変換した漢字を使えば良いというものでもなく、クライアントの規定の書き方に合わせる必要があります。
タイピング初心者には向いていない
音声の中にはとても早口のものも多く、それをタイピングで追っていくわけなので、タイピング初心者ではなかなか難しいとも言えます。
タイピングが遅いと、音声を止めて単語1つずつを聞き取る必要があるので、結局長く時間がかかってしまい、時給に換算するとかなりの低賃金に…。
音声を判断しながら聞き取りタイピングすると、大体1時間の作業で30~50分程度進めば上級です。
タイピングが初心者の場合は1時間の作業で5分さえも進まないこともあります。
正しい聞き取りとタイピングスキルの2つが揃わないとテープ起こしの仕事は苦痛に感じる可能性が高いです。
テープ起こしの報酬額の相場
テープ起こしの報酬に関してですが、大体1分あたり幾らという報酬体系となっていることが殆どです。
高いものでは音声データ1分が100円というものもありますが、相場としては1分60円、50円、40円という場合が多くなっています。
例えば1時間の録音のもので3,000円という単価の付け方もあり、その場合は1分50円ということになります。
この案件を1時間で終わらせることができれば、時給3,000円ということになりますが、2時間掛かれば1,500円、3時間掛かれば1,000円という形になります。
このようにテープ起こしは時間との戦いという部分もあるので、正確に聞き取り正確に早くタイピングするということができないと収入としては納得できるものは手にできません。
在宅ワークとして稼ぐコツ
タイピングスキルがあればテープ起こし自体は難しい仕事ではありません。
ただし、副業として稼ぐのであればある程度のコツは必要です。
案件にはすぐ応募する
テープ起こしの仕事はどのクラウドソーシングサイトを見ても案件数が多いものではありません。
特にクライアントとテープ起こしをする人との間に信頼が必要となる仕事なので、個人的な仕事のやり取りとなることが多い仕事です。
クラウドソーシングなどで多くの会員に向けてのテープ起こしの仕事の量は減少しているため、テープ起こしの案件を受注したい場合はすぐに応募することが重要なのです。
経験を積むことでリピートの依頼が来る
テープ起こしを依頼する側の気持ちとしては、とにかく正確でしっかりしたテープ起こしを求めています。
受けた案件に関してはきっちりこなしていきましょう。
また、講演会や会議、インタビューなどは個人情報が入っていることもあり、内容の他言は厳禁となっているため、信頼性はかなり必要になってきます。
そのため、仕事をして経験を積むことで、だんだんクライアントからも信頼され、個人的に依頼したいという話になってくることも多くなります。
そうなれば報酬単価もアップされることも多いです。
職業訓練校などに通った人はそのようなルールや、またテープ起こしのルールなども知っているので、個人的な依頼も多いそうです。
テープ起こしの仕事を見つけるサイト
クラウドワークス
株式会社クラウドワークスが運営する業界でもトップクラスの知名度を誇るクラウドソーシングサイトです。仕事のカテゴリも様々で、クライアントも多いため案件も豊富にあります。報酬額も大小様々な案件があり、ベテランから初心者までが利用できる大手サイトです。
ランサーズ
クラウドワークスと並び、クラウドソーシングサイトのトップクラスの規模を誇るのがこのランサーズ。フリーランストータルサポートという個人事業者向けのサービスも実施しているため、プロフェッショナルな方の利用者も多いです。もちろん初心者向け案件も充実。
テープ起こし講座でスキルを高めよう
テープ起こしは高いタイピング能力を始め、いろいろな能力が求められるため、通信講座などが存在しています。
今はテープ起こしの技術に自信がないけど将来的にやってみたいという人はテープ起こし講座などを利用するのも1つのスキルアップ方法です。
まとめ
テープ起こしの仕事について詳しく解説しました。
未経験でもできますが、ある程度のスキルがないと時給が見合わないことが多いです。
「テープ起こしって難しそう…」
「ちょっとできる自信がない…」
という方は、もう少しハードルが低い記事作成やアンケートといった副業の方がおすすめです。
パソコン自体初心者の方はまずはタイピング能力をつけることから意識していきましょう!